デザートローズ・バンジョー

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zoom RSS ネックとポットの隙間(2)

<<   作成日時 : 2011/01/03 21:13   >>

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なぜ今回こんなことをお話しているかというと、このブログで度々「ネックとポットが密着していることが重要」と言ってきたことによって、誤解を生じてしまったのではないかと心配しているからです。





ネックをはずすと、ポットとの接触面がどんなふうにカットされているか、ご存じですか? ティンカー(自分であちこちいじる人)の皆さんは見慣れていると思いますが、「怖くて自分では分解したことがない」という方もいらっしゃると思いますので、画像でご紹介しますね。これはギブソンのネックですが、どのメーカーも基本的に同じような感じです。



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複雑なカットですね。えぐられたようになっているのは、もちろん、フランジを避けるためです。







さて、それでは、いつもスコットが「密着することが重要」と言っているのは、どの部分でしょうか。

それは、↓ピンクの部分。たったこれだけなんですよ〜。


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ピンクの部分には、ご覧のとおりボルトが入っていて(注)、コーディネイターロッドによってポットと圧着するようになっています。

   注:お預かりしたバンジョーの中には、
     この部分にボルトがないメーカーもありました。




どんなふうに接しているか、イメージできましたか? 難しい、って? じゃ、2年間に撮りためた写真の中から、分かりやすそうなのを2枚探し出しましたので、お見せしますね。


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どうでしょう。イメージできましたか?



話が核心に近づいてきましたが、前回、「この隙間は、あってはマズいのか?」と皆さんに問いかけたポイントは、緑の円の部分ということになります。


結論から言うと、スコットは、ここには隙間があるほうが望ましいと考えていて、数年前(スコットの記憶によると6〜8年くらい?)から、その考えがバンジョー製作にも反映されているそうです。理由は、前回のコメント欄でPBMさんがご指摘くださったように、この部分がきついくらいに密着していると、テンションフープを押し、結果的にトーンリングの振動を妨げてしまうのではないか?と考えられるからです。つまり、ストッパーの働きをしてしまうということですね。

この隙間に関しては、アメリカでかなり大きな議論になったそうです。「隙間はあるべきではない」と主張する人たちは、ネックの強度が弱まるから、ということを主な根拠にしていたそうですが、「ある事実」が取り上げられて、「ここに隙間があったからといって、即、ネックの強度に問題が生じるわけではない」という考えが優位になったそうです。(この「ある事実」に関しては、後日、あらためてお話しますね)  もちろん、今も、「隙間は無いほうがいい」と考える人もいるでしょう。でも、主なトップビルダーは、たぶん隙間肯定派だと思う、とのことです。(ギブソンも含まれます)


1つ何かを書くと、また新たな誤解を生じそうで心配ですが、「隙間が無い=悪い」という結論に飛びつかないでいただきたいと思います。ピンクの部分がきちっと密着した状態で、この部分が『接している』程度、つまり、テンションフープをムギュ〜ッと押していなければ問題は無いそうです。くれぐれも、ご自分のバンジョーに隙間が無いからといって、心配なさらないでくださいね! (心配な方は、セットアップをご依頼ください。


「隙間があるほうがいいなら、接触するかしないか、なんて微妙な感じにしないで、思いっきり隙間をあければ簡単なのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり見た目の問題もあるので、パッと見て目に留まるほど大きな隙間をあけることはしません。東京や大阪のイベントで、デザートローズ・バンジョーをご覧になった皆さんが気づかれたか分かりませんが、紙1枚〜1ミリくらいの隙間が開いているそうです。(個体差はあります) 「〜開いているそうです」なんてコメントでごめんなさい。でも、私も普段は忘れているほど、目立たないポイントなので。


「そんなとこ、写真撮ったかな〜」と思いましたが、調べてみたらありました! 去年製作したソルトクリークです。

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長くなってきたので、今日はこのへんで・・・ 







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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
あけましておめでとうございます。
改めて自分のバンジョーを見てみました。
わずかですが隙間が空いています。言われるまで全然気にしてませんでしたが。。
ワタシの場合、「スコットさんのセットアップを信じて弾くのみ!」という感じなので、自分のバンジョーがどういう状態にあるのか、全く把握していませんね(^_^.)
いろいろと教えてもらって、もっと勉強します<(_ _)>
岡1
2011/01/04 00:28
あけましておめでとうございます。
お正月は少しのんびりできましたか?

岡1さんのバンジョーの写真もチェックしてみたのですが、その部分がはっきり確認できるような写真はありませんでした。やっぱり、あいてましたか。

私もまだ、スコットのやっていることの、ほ〜んの一部しか知らないんです。今年はどんな話が聞けるのか、密かに楽しみにしているんですよ。

あっ、お気づきだと思いますが、ウサギちゃんのオモチャになってしまったのは岡1さんのバンジョーです。 

2011/01/04 01:01
バンジョーのセティングは奥が深いですね。
まだまだ、企業秘密があるのでしょうね。
ブログでのお話、期待しています。
ばくちゃん
2011/01/04 12:56
深そうですよね〜。(まだ私も、どこが底だか分かりません) おっしゃるとおり、企業秘密の部分もありますので、お話できないこともありますが、「誰かが日本のプレーヤーにも話すべき」というスコットの考えから始まったブログですので、ギリギリのところまでお話していくつもりですよ〜。

そういえば、今はバーチZで調整中ですか?
R
2011/01/04 13:21
なーるほどです。私のOld Gibsonも「ハレルヤNO1」も確かに微妙に隙間が空いています。気がつきませんでした。今回の写真で、以前フェンダーのバンジョーのネックの密着度が優れていると言われていた意味がよーく分かりました。新年から、一つ目からウロコです。

2011/01/04 15:38
いつもバンジョーを目にしているのに、隙間が空いているなんて気がつかない部分です。ビルダーの目から見ればまだまだこの様な個所があるんでしょうね。また一つ勉強になりました。
こばやし
2011/01/04 16:05
今はメープルZで頑張っています。

誤字が多いのですいません。
ばくちゃん
2011/01/04 17:05
稲さん

私も以前、この説明を聞いた時には「な〜るほど!」と思いました。ようやく皆さんにもお話できる機会ができて嬉しいです。

フェンダーのネックの場合は、フランジを避けるためにえぐる必要がないから、確かにポットとの接触面積は大きいですよね。でも、その分、フランジが弱いし、どちらがいいのか微妙。。。 おまけに、フランジの中でリムが泳いでるし。 昔、フェンダー用のリムを頼まれたトニー・パスから、「これは一体、どうすりゃいいんだぁ〜??」って半パニックの電話がかかってきたそうですよ。(笑)

2011/01/04 17:10
こばやしさん

> ビルダーの目から見ればまだまだこの様な個所があるんでしょうね。

そ〜なんですよぉ。 セットアップが完了したバンジョーをお返しする際など、どこまでお話すべきか、結構悩むんですよ。できる限りご報告するよう努力はしているのですが、やはり全てをご報告するのは現実的には難しくて・・・

今考えると、「こうした隙間は心配要らないということをお話しておくべきだった」と心残りになっている方が数人いらっしゃいます。今回、このブログを読んでくださっていればいいんですけど。

2011/01/04 17:36
ばくちゃんさん

メイプルZですね、了解!

五時、いや、誤字なんて心配いりませんよ。皆さん、すでに慣れっこだと思いますが、私なんてしょっちゅう、ウォルナットがマホガニー、フランジがテンションフープになってますから。皆さん、このブログは寛大な心で読んでくださいね〜。

2011/01/04 17:41
「フランジの中でリムが泳いでる」って、なんじゃこりゃーですね。昔から、フェンダーのバンジョーは耐久性に問題がある?との評価を、私自身勝手にしていましたが。

2011/01/04 17:45
あの遊びは計算されたものではない、と、フェンダーにも在籍していたスコットが断言しています。(笑) フェンダーも、コレクターのための逸品を作っていたのではなくて、日常的に使われる楽器を作っていた、ってことですね。

2011/01/04 18:07

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ネックとポットの隙間(2) デザートローズ・バンジョー/BIGLOBEウェブリブログ
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