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zoom RSS 【ちょいネタ】(続)このバンジョーは?

<<   作成日時 : 2009/06/19 13:27   >>

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前回ご紹介したバンジョー、さて、皆さんはいくらに値をつけましたか?



すでにコメント欄で正体を明かしてしまいましたが、ギブソンのプリウォーバンジョー(RB-75、オリジナル5弦)で、最近、新たな所有者のもとに渡ったバンジョーでした。以前の所有者はグレン・オデールさんという方(牧師さんだったそうです)だったのですが、80年代にすでにお亡くなりになっていて、25年間ほど、一度も弾かれることなく、そのままになっていたそうです。(弦も、グレンさんが生存中に最後に取り替えたままになっていたそうです)


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このバンジョーがなぜ有名かというと、ほとんどがオリジナルパーツのまま残っているためです。グレンさんが別な所有者からこのバンジョーを入手したのが1943年頃らしく、バンジョー自体は40年か41年あたりに作られたものと推測されます。戦後、持ち主が変わらなかったおかげで、バンジョーの素性がきちんと分かっているというのも、このバンジョーの価値なんでしょうね。ほとんどのビンテージは、誰がいつ、どのパーツを変えたかということが不明ですから。


「ほとんどがオリジナルパーツのまま」と書きましたが、時代が時代なので、ギブソンが在庫パーツを何でも組み合わせてバンジョーを作っていた時期のバンジョーで、以前ふれた、いわゆるFloor-sweepのようです。

RB-75といいながら、ネックもリゾネーターもマホガニーではなくメイプル。しかも、リゾネーターはバインディングから判断して、グラナダのリゾネーターを流用したと思われます。また、ウッドリムにはデカールがついていません。

もっと面白いのがネックのシェイプ。ハンドストップ(サムストップ、フィンガーレスト)がなくて、ツルンとしてるんですよ。

画像


もう、何でもいいから、あるもの何でも使って組み立てたんでしょうね。究極のFloor-sweepだぁ!


グレンさんの家族の依頼で買主を探した方が、Banjo Hangoutで写真を公開しています。もしかすると、メンバーでないと見られないのかもしれません。そうならごめんなさいね



前回サウンドファイルを紹介しましたが、あくまでもサウンドファイルなので、本物の音と近いのか何ともいえません。また、25年間全く弾かれることなくきてしまったので、半年後、1年後の音をまた聞いてみたいですね。購入価格は公にされていませんが、100,000ドルは超えているようです。いつも言うことですが、あり合わせで作ったバンジョーが後の時代に1千万円を超える価格で取引されるなんて、当時のギブソン関係者は夢にも思っていなかったでしょう。ある意味、ギブソンからすれば、Sweep-floorはあまり後世まで残っていてほしくなかったバンジョーかもしれませんね。「どうせなら、もっとちゃんとしたのが残ってりゃ良かったのに」って。



今のところ、ご本人は正体を明かしていませんが、ほとぼりが冷めたらきっと明かしてくれるでしょう。JRさんという方で、プロではありません。










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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
えっー!やっぱり、メイプル(ネック)だったのですねー!よかったーです。

2009/06/19 19:02
メイプルですよ〜。紛らわしいですよね。
R
2009/06/20 22:07
“Floor-sweep”って不思議というか、おもしろいというか...写真を見ると、マスタートーン・ブロックもついてないんですね。それでもこれはRB-75なんですね。

良く言えばオーダーを受けてから制作する受注生産のカスタム・モデル...???

2009/06/20 22:36
つまり、「品質工学」的に言いますと、“Floor-sweep”banjoは、コスト的に優れている(冷蔵庫の残り物で創るまかない料理の美味さ)ので、かなりの確率で良く鳴るはずなのです。

2009/06/20 23:25
松さん

むしろ、先に作って、それを買ってくれる店を探したということらしいですよ。それこそ、いろんな“自称”RB-75があるんですって。(笑) いつもおちょくってますが、戦争のために新たに金属パーツは作れないとか木材の入手も限られているといった厳しい状況の中で作ったんだからすごいことです。the サバイバル、ですね。

稲さん

「冷蔵庫の残り物で作るまかない料理」ですか。うまいこといいますね。 「山田君、稲さんに座布団一枚!」 
R
2009/06/21 08:40
あり合わせのパーツで組み立ててモンスター級が産まれるとは、何でもありでおおらかなギブソンの底力ですね。

RB-75は在庫パーツ一掃モデル、ますます確信が...

2009/06/21 21:55
なるほど、鋭い推理ですね。「安いモデルなんだから、文句は言うな」って感じだったのかも。
R
2009/06/21 22:20
>あり合わせのパーツで組み立ててモンスター級が

水を差すようですが、戦前の同時期に作られたバンジョーでも、素晴らしいものやそれを上回るモンスター級があれば、普通に良いものも、かなりお粗末なものもある(あった)ということは忘れないほうがいいかもしれません。偶然いくつもの好条件が重なってモンスター級のバンジョーも生まれるわけで、グレンのRB-75も、その中の1つだったということだと思います。(こういうのって、楽器だけの話じゃないでしょ?)

とんでもない価格で取引されることもあるヴィンテージ・マーケットですが、この点だけは忘れずに! 

R
2009/06/21 22:51
その「冷蔵庫の残り物でのまかない料理」的などんなバンジョーも、スコットさんのセットアップ(Zブリッジ使用)にかかれば、かなり良いバンジョーになると思います。何しろ、それぞれのパーツには高いポテンシャルがあるのでしょうから。

2009/06/22 20:40
どんなバンジョーでも、音なりプレイアビリティーなり、何かしらの改善はできると思います。ある時、スコットはこう言っていました。「1,000ドルのバンジョーに5,000ドルのバンジョーの音を求められても難しい。でも、僕は、1,000ドルのバンジョーにも、5,000ドルのバンジョーと同じように向き合っている」って。

時々「こんなバンジョーでも見てもらえますか?」という遠慮深いお問い合わせをいただくのですが、どうぞお気軽にご相談くださいね。
R
2009/06/23 00:35
以前の記事で「良いパーツを正しくフィットさせる」ことの大切さを書いておられたと記憶してます。“Floor-sweep”とは言え元々はちゃんとしたモデルのためのパーツだったんでしょうから、稲さんのおっしゃるとおりに高いポテンシャルを秘めているのでしょう。

そこに良い状態で保存され、弾き込まれ、時間がもたらしてくれる効果もあって...と言うことですね。確かに古いだけのヴィンテージもありますもんね。

このRB-75もちゃんとセットアップされて、しばらく弾き込まれたらどんな音になるのか興味ありますね。

2009/06/23 08:21
松さんは、いろいろとよく覚えていてくれますね。きっとこれも覚えていらっしゃると思うのですが。。。

スコットとお客様の連絡係として感じるのは、(「そんな小さなことが?」ということが音に影響を与えていることもありますが、)やはりポットが重要なんだなぁということです。「トーンリングとリムが正しくフィットしていなければ、どんな高いパーツを使おうと、他をどういじろうと、大きな改善は望めない」ということはこれまでにもお伝えしてきましたが、プライリムの場合は、層の間にハガレや隙間があると、小さなものでもかなり致命的な問題になりえると考えているようです。

現代の技術を持ってしても、この隙間を完全に無くすのは難しいそうで、スコットがトニー・パスのブロックリムに切り替えたのも、「プライリムには付き物の、隙間という問題点を解消したリムだったから」だそうです。(特にロストティンバーは現代の木よりも硬いので、隙間なくプライリムを作るのはほぼ不可能?!)

続く・・・
R
2009/06/23 10:30
現代でも難しいのですから、戦前の限られた技術・道具、そしてニカワという接着剤では、リムに大きな隙間があったり、たくさんの隙間があることは、決してめずらしいことではありません。

プライリムはビックリ箱みたいなもので、トーンリングをはずしてみるまで何が出てくるか分からないし、実際には表面から見えないところに隙間があることもあります。以前、アーチトップのリムをフラットヘッド用にカットし直したために、中の状態が見えてしまったリムをご紹介したことがありましたが、現在作られているリムでも、カットしてみたら中に隙間があった、ということはいくらでもあります。こうした内部の隙間は、「後でできた」というよりも、むしろ「最初からあった。でも、確認のしようがなかった」ものだそうです。

ヴィンテージ・バンジョーもどんなリムがついているかが重要だと思うのですが、そこまで確認して購入することはあまりないと思いますし、見えないところの隙間に関してはどうしようもない。。。 近い時期に作られた同モデルで、外見は特に違いもないのに、音に関して「アタリ」「ハズレ」の違が出る原因の1つのようです。 
R
2009/06/23 10:39
Rさん
力作!Thank you so much.です。
以前、スコットさんが、その隙間が例え紙一枚の空間でもダメと言っていました。私が、約10年前に、トニーパスのブロックリムはいやだと言ったのも、つまり接着剤を使う箇所が多く、そこに微妙な隙間が空くのではとの不安があったのが理由の一つでした。しかし、トニーの偉大な所はこれを見事にクリアーする技術にあったのです。また、私のTB−3もコンバージョンのフラット・ヘッドにして貰った時に、スコットさんにウッド・リムの隙間を埋めて頂いたのでした。OLDをお持ちの皆さん、ぜひ一度スコットさんにメンテしてもらう事を強くお勧めします。

2009/06/23 20:24
稲さん、ありがとうございます。ちょこっと書くつもりが、いつものごとく、熱くなってしまいました。

トニー・パスのブロックリムのほうが、プライリムより接着剤の量が多いと誤解している人は、今もいると思います。そんな方は、トニーのインタビュー(http://desert-rose-banjo.at.webry.info/200712/article_9.html)を読んでみてください。

板を正確に曲げることは難しいので、プライリムはどうしても隙間ができやすいようです。(さすがに表面に隙間が見えてしまっているものは、検品の時点ではねると思いますが) マルチリムに至っては、一体、どれだけの接着剤が使われているのか。 以前、バンジョーのトーンリング換装を考えていらっしゃるお客様がいたのですが、そのバンジョーはマルチリムだったので、「トーンリングに投資するより、3プライでもいいから、リムを変えるのが先」とアドバイスさせていただいたことがあります。
R
2009/06/23 20:40

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