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zoom RSS トーンベルシステムについて

<<   作成日時 : 2007/12/01 12:49   >>

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先日、ある方とのメールのやりとりの中で、トーンベルシステムのことが話題に上りました。それがきっかけで、トーンベルシステムに興味を持っている方が少なからずいらっしゃることを知りました。

トーンベルシステムをご存知ない方のために簡単に説明しておきますと、トーンリングは本来、リムと2箇所(リムの上部と肩の部分)で接しているわけですが、リム上部の角を少し削り、トーンリングとの間にわずかな隙間をあける方法をこう呼んでいます。(R)の下手な説明より、図を見ていただいたほうが早そうです。上の図がトーンリングとリムのノーマルなセットで、下の図が、いわゆるトーンベルシステムと呼ばれるものです。

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トーンベルシステムの名づけ親はビル・パーマーで、1969年以降、研究と実験を重ねてきました。トーンリングの片側がリムと接触していないことにより、トーンリングの振動が妨げられることがなく、「ベル」のような効果が生まれるのではないかとの考えから生まれたものです。ただ知っておいていただきたいですが、ビル自身、全面的に推奨しているわけではありません。(R)の前置きはこれくらいにして、ビルダーとしてのスコットの考えを紹介していきましょう。

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There has recently been some discussion of the Tone Bell System
of tone ring mounting on the Japanese internet, and some confusion.

I would like to relate my experience with the Tone Bell fitting and the
thinking of the man who introduced it, my good friend Bill Palmer.

The most important point to remember is that any mounting of the
tone ring where the tone ring and wood rim are not touching very
solidly on top and at the skirt is not traditional, and more importantly
goes against the way the banjo was designed to work.

This will give you a non traditional tone.

私の良き友人であり、トーンベルシステムを紹介した人物であるビル・パーマーの考えを、私自身の経験と交えながら話していきましょう。まず、知っておいていただきたい重要なことがあります。それは、「トーンリングがリムの上部とスカートの部分にきっちり接していないセットの仕方は、いかなるものであれ、昔からの伝統的な(traditional)やり方ではない。さらに言えば、本来意図されたバンジョーの機能に反するものである」ということです。 このシステムから生まれる音も、従来の伝統的な音とは異なります。

The Tone Bell System or any mounting of the tone ring and wood
rim that has a gapbetween the parts is not normal. This doesnt mean
its is automatically BAD. It MAY sound ok, it MAY sound good on some
banjos, but dont expect this result.

トーンベルシステムに限らず、トーンリングとリムの間に隙間ができるようなセットは正常(normal)ではありません。もちろん、正常でないからといって、即、悪い、というわけではありません。悪くない(OK)音が得られるかもしれませんし、バンジョーによっては良い(good)音が得られるかもしれません。しかし、必ず良い結果が得られると期待してはいけません。

The Tone Bell System mounts the tone ring as if it were a bell, with the
lipfree to vibrate. In my experience this can help a banjo that needs more
volume, and it can help the tone of some banjos that are not great quality,
and it MAY help an average banjo in some cases. But rarely does it made a
good or great banjo better, and often it will harm the sound of a great
banjo.

トーンベルシステムでは、トーンリングの片サイドが自由に振動でき、まるでベルのような状態にセットされています。(注1) 私の経験から言うと、トーンベルシステムを採用することで、ボリュームが足りないバンジョー、あまり高品質ではない(not great quality)バンジョーは改善される可能性がありますし、中級レベル(average)のバンジョーが改善することもあるかもしれません。しかし、良い(good)バンジョーや非常に良い(great)バンジョーがこのシステムによって改善されることはほとんどなく、むしろ、素晴らしい音を損なってしまうケースのほうが多いのです。


  注1 :記事を書いていて思い出しましたが、以前、オーストラリアの方から
      トーンリング開発への協力を依頼され、何度かテストに協力したこと
      がありました。興味深いことに、この方、本業は、世界で3本指に入
      るベルの製造メーカーということでした。ベルを作る者の立場からす
      るとIt makes sense.(理にかなっている)と思われたそうです。残念
      ながら、断念してしまったそうですが。。。(R)

This type of mounting was used by some Japanese and Korean banjo makers
to do just what I described. Banjos made with cheap ply rims can have better
volume and maybe better tone with this type of mounting. Bluebell banjos can
be found this way and sometimes Aria and others. But because it was not
consistant the question needs to be asked if all of them found this way were
really a mistake or made on purpose.

一時期、日本と韓国のメーカーによって、リムとトーンリングの間に隙間が存在するバンジョーが製作されていました。ブルーベルのバンジョーがそうでしたし、時々アリアや他のメーカーでもこうしたバンジョーを見かけることがあります。安価なプライリムを使ったバンジョーは、これによりボリュームアップが可能であり、音が良くなる可能性もあるかもしれません。しかし、同メーカーでもすべてのバンジョーにこうした隙間があるわけではなく、また、隙間がある場合であっても、ごくわずかな隙間のものからかなり大きな隙間のものまでバラつきがあり、このことから考えると、これらの隙間のすべてが意図して作られたものなのか、はたまた、ミスによるものなのか、疑問が残る問題ではあります。

I have made banjos with a very very small even gap at the tone ring and
wood rim area and they were powerful and sounded good immediately
after assembling them but sounded better after correcting the fit to
the traditional way and letting the banjo break in for a month or two.

実は、私も、トーンリングとリムの間をわずかに離したバンジョーを製作したことがあります。面白いことに、これらのバンジョーは、製作・セットアップ直後から、非常にパワフルで良い音がしていました。しかし、その後、トーンリングとリムを通常の状態に修正し、1〜2ヶ月かけてバンジョーを慣らしてみると、結局、トーンベルシステムの時よりも音が良くなったのです。

Its an interesting idea but even Bill Palmer now advises DONT do the
Tonebell tone ring change on a good banjo!!! Its for low quality or bad
sounding banjos only

トーンベルシステムは面白いアイディアですが、ビル・パーマー本人も、良いバンジョーにはこうした改造は絶対しないようにと忠告しています。 低品質のバンジョーや、音がどうにも良くないバンジョーに対してのみ、試す価値があるかもしれません。


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この記事を書くに当たり、(R)もビル・パーマーのサイトを読んでみました。とても面白かったし、勉強になりました。皆さんも、辞書片手に頑張って読んでみてくださいね。

    http://www.banjowizard.com/tonebell.htm

サイトは、時を追うかたちで情報が書き足されていますが、現在最後の書き込みとなっている部分は、A final note about the Tone Bell™ system(トーンベルシステムに関する最終メモ)というタイトルがついておりますので、長年トーンベルシステムを研究してきた彼がたどり着いた最終結論ということのようです。Foggy Mountain Banjoのスクラッグスの音を求め続けてきた彼の結論は、I firmly believe that the Tony Pass rim has made the Tone Bell™ system obsolete.(トニー・パスのリムが登場したことで、トーンベルシステムは必要なくなったと確信している)なんだそうです。ちなみに、このビルの結論には、多くのバンジョーメーカー、トーンリングメーカー、またポール・ホプキンズ(注2)も同意をしています。

  注2:ポールは、スクラッグスのオリジナルバンジョーの音の再現をめ
     ざし、その秘密はトーンリングにあるのではないかと考え、自らト
     ーンリングの開発までしてしまった人です。Groundspeedと
     Shuckin' the Cornの録音に使われたRB4の所有者でもありま
     す。その彼も、トニーのリムでバンジョーを製作したときに、「これ
     が求めていた音だ」と思ったそうです。
     

スコットも最後にふれていますが、少し補っておきますと、ビル・パーマーは、トーンベルシステムの改造に対して3つのことを強調しています。

1) This should never be done on an original equipment rim.
2) There is risk involved (as in "do this at your own risk"
3) It is a last resort.

1) この改造はバンジョーのオリジナルリムにしてはいけません
    (ビルは、もしやるなら、別なリムを入手して試してみてくださいと言
     っています)
2) この改造にはリスクが伴うので、自己責任でやってください
3) これは最後の手段です
    (音の改善を図るためにあらゆる手を尽くした上で、それでも満足いく
      音が得られない場合に限り、最後の手段として試してみてください、
     とのことです)

先日紹介したアール・スクラッグスのグラナダ9584も、部分的にトーンリングとリムに隙間がありましたが、これは意図されたものではなく、長年の間に生じたリムのゆがみに起因するものです。

ビル・パーマーのサイトに書かれていたことを、もう1つ付け加えておきます。

  There is a lot of strain placed on the shoulder of the banjo rim between
  the flange and the under edge of the tone ring.

トーンベルシステムに改造すると、本来は2箇所に分散されるべき力が、リムの肩の部分に集中してかかってしまいます。リムへ負担が大きくなりますので、その点にもご注意を。また、隙間を作ったら、アルミ製のトーンリングがつぶれてしまったという報告も入っているそうです。↓

  Do not try this modification if your banjo has an aluminum tone ring.
  Bailey Henry of Florida tried this with an Alvarez Denver Belle which
  had an aluminum tone ring. The tone ring collapsed. Aluminum has
  some big disadvantages in construction.

忙しさに負け、なかなか記事を更新できませんが、今後も面白い話題、役に立つ話題を紹介していく予定ですので、ちょこちょこお立ち寄りくださいね。お客様からお預かりしている非常にレアなスタッグホーンも近々紹介しますよ! (R)

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プリウォー・トーンリング (アーチトップ編)
最近メンバーサイトでプリウォー・トーンリングの素材について書いていたんですが、この程度なら一般公開もOKということで、こちらにアップしておきます。情報の一部は非公開です(ごめんなさい)ですが、あまり知られていない面白い情報もありますよ!  ...続きを見る
デザートローズ・バンジョー
2008/07/04 23:49

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